私達からアドバイス!!

 私たちは飯綱高原定住者ではなく、また非常に詳しいわけでもありません。しかし、2003年夏には、飯綱高原都市計画区域のほぼ全域を対象としてアンケートやヒアリング調査を行い、また20032004年にかけて行われた飯綱高原土地利用ガイドライン策定懇談会に参加し、地元の人の意見や要望をかなり収集採録してきました。そんな活動を通して得た感想から、アドバイスをまとめて見ました。ホームページのQ&Aと合わせて参考にして下さい。

飯綱高原での定住を考えている人たちへ

(1)どれくらいの資金で家が建つのか?

 場所によってかなり格差があるようです。最近の分譲地の傾向からみると、土地は坪35万程度のようです。100坪の土地に、延べ床面積40坪のログハウスを建てた場合で、2500万程度で家が建つように、地元の開発業者は値段設定をしているようです。某区長さんの話では、一般サラリーマン世帯が出せる金額が総額として初めから設定されていて、家を建てるのに必要な工費を差し引いた値段が土地代となるから、坪単価なんて、あってないようなものだと言っておられました。地元開発業者の話では、飯綱高原での分譲開発がピークであった長野オリンピック開催の頃は、坪810万で、ばんばん売っていたと証言しておられました。それに比べると最近は安いですね。
 いずれにしろ、上の金額は街なか(特に市街化区域内の郊外土地区画整理地)に比べれば、非常に安い金額です。でも、安いという理由だけで飯綱高原に住むことを決めるとすると、下に書くようないくつかの理由で「はまった!!」と後悔すると思います。また、100坪は街なかでは非常に広いかもしれませんが、飯綱ではそうでもないのです。むしろ、最も狭い範疇に入るのです。

(2)敷地を決める際のキーポイントは?

 特に注意したいのは、自分の敷地に面する道路が私道なのか、市道なのか、ということです。特に未舗装の場合は要注意です。また、上水道計画区域内なのか、下水道処理計画区域内なのか、ということについても、業者の言葉をそのまま信じるのではなく、自ら役所に出向いて確認したいものです(このホームページにも一応の地図を掲載しています)。
 私共が聞いた中でも、住宅を買った後で、道路や上下水道といった基盤の行政整備管轄外であることを知った人がたくさんいます。住んでしまった以上、住民は行政に基盤整備を訴える他ありませんし、行政側としては、想定外の追加整備を考えざるをえなくなるという悪循環になっていきます。

こうしたミスマッチは、はっきりいって税金の無駄遣いであり、はじめから必要な情報を知っていれば避けられることなのです。
 その他にも、バス路線やバス停の位置についても押さえたい所ですね。

(3)住み始めた後で気がついた不満点は?

 寒さ・・・一番多いのがコレ。飯綱高原では114月に雪が降ります。標高は9001100mですから、気温も低い。1月の平均気温がマイナス8.5度ということですから、冷え込む日にはマイナス20度程度を覚悟する必要があります。当然、家の結露もものすごい秋の落ち葉処理が大変という人も多くいます。

 雪・・・雪かきは大変。11月の終わりから4月の初めにかけては、雪かきは日常の日課だと思う必要があります。また、飯綱高原では2月に積雪の最大期を迎え、90-100cmに達します。ということは、雪だめ場ではもっとすごいわけで、3月の終わりまでは溶けない根雪があるということですご自分の敷地に置き換えてみて考えて下さい。屋根から落ちる雪は山のような根雪になります。狭い敷地では雪山で家屋が圧迫され、隣の家の雪が気になるという不満が、分譲型の開発地に住まわれた住民の中では非常に多くなっています。敷地面積が100坪では狭い理由は、ここにもあります。

 木が切り倒される・・・100坪程度の分譲敷地では元樹木を全て切り払い、丸裸にして土地を売っています。しかも、それらが10戸程度まとまって分譲されるのですから、分譲地は樹林地に囲まれた10円禿のような案配です。これでは、確かに飯綱の自然は周りにあるのですが、自分たちが住んでいる肝心な庭先環境は街中の戸建て住宅の庭と全く変わりません。むしろ、その開発地だけ街中から移植したような風情となっています。ですから、「樹木が切り倒された」ことを不満に挙げる住民が非常に多くなっています。安易に分譲地に手を出すのではなく、周辺の環境をよく吟味し、広い敷地を探すことをお薦めします。

 通学・・・栄峰区の一部は戸隠小学校の校区のようですが、その他は長野市内の善光寺近くにある城山小学校へバスに乗り、約40分かけて通学しています。相当大変ですから、十分に念頭に入れる必要があります。また、飯綱高原は山間ですから、夜間照明のない、夜間は真っ暗な道路がほとんどです。こうした通学事情を考える必要があります。

(4)飯綱高原に住む人に守ってもらいたいこと。

 私達が調査で感じた一番の印象は、本当に色々な考えの人が飯綱高原にはいるということです。自然環境保全の鬼のような人から、街なかに住むつもりの便利さ一辺倒の人まで様々です。ある人は、飯綱高原の売りは、自然であるから都市部のようなサービスは要らないとか、自然環境を守るためには敷地の最低面積は500坪でないとダメだと言います。別のある人は、都市郊外にあるような大型スーパーが必要だと言います。ですから、共通の理念を作ることは大変難しい。
 しかし、少なくとも飯綱高原に住む以上、その環境を変えようと力むのではなく、それを受け入れ、自然環境から学ぶということが必要だと思います。私共の調査でも、自然環境保全の為のルール作りはほとんどの人が必要だと考えています。また、飯綱高原の在来種(特に植物)を守るという議論が、飯綱高原土地利用ガイドライン策定懇談会の席でも異様に盛り上がったことからも、地元の人の自然環境に寄せる思いを強く感じました。
 こうした飯綱高原に住むためのお願いは、飯綱高原土地利用ガイドラインに詳しく書かれていますので(このホームページからも市役所の関連ホームページへたどることができます)、ぜひご一読下さい。

20039月以来、都市計画法関連の法整備が進み、飯綱高原都市計画区域内では、都市計画法・建築基準法による建築確認が必要であり、また長野市自然環境保全条例による規制も強く働くようになりました。また、飯綱西区ではこれに加え、地区計画(地区整備計画)が決められ、相当強力に規制が働くようになりました。勘違いしないでいただきたいのは、こうした法規制を疎ましい物と思うのではなく、守るべきものがあることの裏返しであるという事です。その点を十分理解して欲しいと思います。
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